名前の由来
さて、何故「藤枝」と名乗っているのか。
如此為而曽 人之死云 藤浪乃
直一目耳 見之人故尓
仮名交じりにすると
かくしてそ、人は死ぬといふ、藤波の、
ただ一目のみ、見し人ゆゑに
と、まぁこうなるわけです。
これは万葉集の中の詠み人知らずの歌なのですが、初めてこの歌を見て鳥肌が立ったのをよく覚えています。
だって、
こうして人は死ぬというのですね、藤の花のような、一目見たあの人に恋して
ぞくぞくしないわけがありません。
いや、ぞくぞくして然るべし。
基本的に、万葉集の中に納められている藤の歌は「藤波」として藤が登場しています。
茂った藤が風に靡くと波のように見える。そういうことで藤波なのですが、これが後になると藤と松の組み合わせで詠まれることが多くなってくるのです。
と、言うわけで「藤波」と「松ヶ枝」の二つを合わせて「藤枝」と名乗っています。
縁起が良いのか何なのか分かりませんが、気に入っている名です。
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